『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』
無気力な土曜の昼、
救いを求めて『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』を観に行った。
そんな資格はないのに美香に自分をダブらせてボロボロ泣いた。
私は美香ほど繊細でもないし気高くもない。
美香は自分を貶めていたけど、そんなことする必要ない。
君は美しい。
東京の多くの人は
たくさんの問題から目を背けて
薄っぺらな話をして酒飲んで騒いで
手近な人との恋愛ごっこに一喜一憂して
バカで愚かだ。
そんな人が寄せ集まったこの街はクソだ。
女もクソ、男もクソ、みんなクソ。
この腐った街に希望なんてものはない。
でも、そう思う自分と向き合わず、街を受け入れることもせず、
それでいてそこに紛れようとする私が一番バカで愚かだ。
中途半端な私はただの異物。
誰にもどこにも受け入れられず、居場所なんてものはない。
映画の最後、彼らに置き去りにされた気がして苦しくなった。
最高で最悪の映画だった。
この腐った街を独りで生きるくらいなら、
私は死んでしまいたい。
私にも今日と明日が光って見えるときが来るだろうか。
光る今日と明日を見るために、私は少しでも変われるだろうか。
『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』が私にもたらしたのは、救いなんかじゃなかった。
むしろ観なければ良かったとさえ思う。
でも作ってくれてありがとう。
こんな映画が生まれる街なら、少しくらい希望もあるかもしれないね。